「黒翼」のスポーツセダン キャデラックCT5-V/CT4-V発表

キャデラックは新型『CT5-V ブラックウイング』と『CT4-V ブラックウイング』を発表しました。最新の高級セダンに、強力なエンジンとマニュアルシフト、後輪駆動、マグネティック・ライド・コントロールなどファンに人気の機能を追加し、空力性能に特化したエアロパーツを装着しています。

キャデラック CT5-V ブラックウィング

キャデラック『CT5-V ブラックウィング』

キャディが誇るスポーツセダン『CTS-V』の後継ぎを目指し、CT5-V ブラックウィングは内外ともに磨きをかけています。その心臓部には、ケンタッキー州にあるGMのボウリンググリーン工場で手作業で組み立てられる6.2L V8スーパーチャージャーを採用。ユニットには職人のサインが添えられています。

新しいスーパーチャージャーの搭載により、668馬力と893Nmのトルクを発揮。0-97km/h加速は約3.7秒、最高速度は320km/hを超えます。トランスミッションは、アクティブレブリブマッチング、ノーリフトシフト、特殊な冷却機能を備えた6速TREMECマニュアルトランスミッションが標準となっています。

キャデラック『CT5-V ブラックウィング』

全輪駆動が主流となりつつある中、CT5-V ブラックウィングは後輪駆動方式を採用しています。エグゼクティブチーフエンジニアのブランドン・ビビアン氏は、「レースコースで速く走れないのであれば搭載しないという、非常に強い指針がある。AWDでは速くならないから、ブラックウィングには搭載されていないんだ」と語っています。

電子制御リミテッド・スリップ・リア・ディファレンシャル(eLSD)が搭載されており、どのホイールが最もトラクションを発揮するか、パフォーマンス・トラクション・マネージメント(PTM)の設定、およびドライブモードに応じて、トルクを左右に配分することができます。路面状況に応じてダンパーの剛性を調整するマグネティック・ライド・コントロール4.0(MR 4.0)が標準装備され、従来のシステムに比べて反応速度が4倍に。マクファーソンストラット式フロントサスペンションと5リンク式独立リアサスペンションと連動します。

キャデラック『CT5-V ブラックウィング』

フロントに6ピストン(ローター径15.67インチ)、リアに4ピストン(同14.7インチ)のブレンボ製ブレーキを装備。キャデラック史上最大のブレーキとなっています。キャリパーはグレー、ブルー、レッド、ブロンズから選べます。タイヤはミシュラン・パイロット・スポーツ4Sで、レースに特化した特別仕様となっており、特にウェット性能と耐久性を考慮して設計されています。ホイールは高剛性・軽量の19インチ鍛造アルミを装着。

外装としては、専用フロントグリル、フロントスプリッター、サイドエクステンション、リアスポイラー、リアディフューザー、フェンダーベント、ロッカーエクステンションが追加されています。見た目だけでなく、パフォーマンスの向上に貢献しています。フロントグリルは冷却と空力特性を向上させ、フロントフェンダーにはエンジンルームの通気用にエアダクトが設けられています。ロッカーエクステンションはリアディフューザーと一体化して空気を整流。アンダーウィングにはレーシングカーのようなストレーキを採用し、空気の流れをスムーズにしてフロントのダウンフォースを助けます。

キャデラック『CT5-V ブラックウィング』

内装では、シートヒーター/ベンチレーター、ランバーマッサージ、18ウェイ調整機能付きの本革シートを標準装備。シフトチェンジしやすいよう、シートボルスターと腕の間には十分なクリアランスが設けられており、ヘッドレストもヘルメット装着時を考慮した形状となっています。ペダルもヒール/トゥが可能な位置にセット。

15スピーカーのAKGオーディオシステムを標準装備し、パフォーマンスステアリングホイールにはPTMモードスイッチとドライブモードを設定できる「Vモード」ボタンを備えています。12インチのHDデジタルメーター、ヘッドアップディスプレイ、10インチのセンターコンソールタッチスクリーンを採用。Apple CarPlay/Android Auto、ワイヤレス充電器、360度カメラを搭載しています。

キャデラック CT4-V ブラックウィング

キャデラック『CT4-V ブラックウィング』

CT4-V ブラックウィングは3.6L V6ツインターボを搭載し、472馬力と603Nmトルクを発揮。最高速度は304km/h、0-97km/h加速は3.8秒に達します。適切な油温を維持できるよう冷却機能が改善されています。6速MTが標準で、10速ATはオプション設定。

CT5-Vと同様に、eLSDやMR 4.0は標準装備。18インチのスタッガードホイールにミシュランの特殊タイヤを履いています。ブレーキペダルの踏み心地は調整可能で、トラクション&スタビリティコントロールやステアリングフィールなども設定することができます。

外装面ではCT5-Vよりもアグレッシブなスタイリングとなっており、カーボン製のエアロパッケージにより214%のダウンフォースを実現しています。

内装では、ヒーターと18ウェイ電動調整機能付きの本革シート、カーボントリム、本革巻きパフォーマンスステアリングホイールを採用。14スピーカーのAKGオーディオシステム、12インチのHDデジタルメーター、8インチのセンタータッチスクリーンを備えています。ヘッドアップディスプレイはありませんが、PDR 2.0を追加することができ、Android Auto/Apple CarPlay、ワイヤレス充電器が標準装備されています。

キャディ最強セダンの価格は?

キャデラック『CT4-V ブラックウィング/CT4-V ブラックウィング』

両モデルの予約は2月1日より開始され、納車は2021年夏以降を予定しています。価格はCT5-V ブラックウィングが84,990ドル(881万円)から、CT4-V ブラックウィングは59,990ドル(622万円)から。

GMが誇るハンズフリー運転支援技術、エンハンスド・スーパー・クルーズは設定されていません。キャデラックのコミュニケーション・ディレクターであるマイケル・アルバーノ氏は、次のように語りました。

「ブラックモデルに採用したすべての機能は、わたし達が選択したものです。すべては運転性能を向上させるために設計されています。スーパークルーズは素晴らしい技術ですが、その追加重量はブラックウィングの理念には合わなかったのです」

キャデラック『CT4-V ブラックウィング/CT4-V ブラックウィング』

マニュアルトランスミッションが選ばれる割合について、キャデラックはかなり自信を持っているようです。同社は両モデルの販売台数のうち20~25%が6速MTになると予測。これは、ブラックウィングがスポーツ走行のために作られたモデルであるということを示すものであり、試乗への期待感がますます高まります。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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