テスラは『モデルS』と『モデルX』の新型を発表し、徹底的に刷新されたインテリアデザインが明らかになりました。U字型のステアリングホイールに注目が集まっていますが、さらに驚くべきは「シフトレバーがない」ということ。シフト操作はクルマが自動的に判断して行ってくれるというのです。
テスラの現在のラインナップの中で最も古いモデルSとモデルXのインテリアは、比較的新しい『モデル3』や『モデルY』のすっきりとしたミニマルなデザインに比べて、少し古臭く見え始めていました。今回の改良で、そのデザインは大きく変わりました。
17インチのセンタータッチスクリーンを横向きに配置したり、新しい後部座席用ディスプレイを追加したりするなど、使い勝手の良さとエンターテインメント要素がテコ入れされています。また、CPUのアップグレードによって演算能力が10テラフロップスに向上。PS5やXboxに比肩する性能を持ち、イーロン・マスクCEOによると車内で最新ゲームソフト「サイバーパンク2077」をプレイできるといいます。
ステアリングホイールは「ヨーク(Yoke)」と呼ばれるU字型のデザインが採用され、クルマというよりも飛行機の操縦桿に近いものとなっています。新型モデルS/モデルXの最大の特徴とも言えるこのステアリングホイールには、主要なコントロール機能が備わっています。
写真からは少しわかりづらいのですが、左右のスクロールホイールの周りにタッチパネルが使われており、左側はライトやウィンカー、右側はホーン、ボイスコマンド、ウィンドウウォッシャーを操作するためのもの。左右のスクロールホイールは、12.3インチのドライバー専用ディスプレイを操作することができます。
シフトレバーが廃止されたのも大きな変化です。イーロン・マスクによると、従来の「P-R-N-D-L」の切り替えは、ドライバーの意思を予測して自動的に行われるといいます。
「車両は、障害物や周囲の環境、位置情報などから進行方向を判断する」とイーロン・マスクはSNSへの投稿で明かしています。
これは非常に野心的な試みですが、イーロン・マスクはドライバーがすぐに評価してくれるだろうと考えています。
「数日間、PRNDのシフト操作をせずに運転すると、元のクルマのシフト操作が面倒に感じるはずだ」
確かに、テスラのオーナーはこれまでにも、同社の斬新な価値観に素早く適応してきました。しかし、このような馴染みのある操作が必要ない(クルマが自動で行う)というのは、新たな議論を呼ぶ可能性があるように思えます。
新型モデルSの納車は、3月から米国で開始される予定です。