ルーマニアの自動車メーカーであるダチアは、新型のコンセプトSUV『ビッグスター』を公開しました。ダチアは『サンデロ』や『ダスター』など手頃な価格で信頼性が高く、ちょっと風変わりなクルマを作ることで知られています。
親会社であるルノーは、新事業戦略計画「RENULUTION(ルノーリューション)」の発表に合わせて、コンセプトEV『5』を公開。ダチアもこれに合わせてビッグスターを披露しました。
ダチアとラーダのCEOであるドゥニ・ル・ヴォットは、「ダチアは常にダチアであり続け、スマートなバイヤーに対し、信頼できるお買い得な最高の提案を提供していきます」とコメント。
ル・ヴォット率いる両ブランドは、「RENAULUTION」の一環として業務提携を組み、開発と製造を共有することで競争力を高めます。
「ダチア・ラーダ事業部の設立により、『ビッグスター・コンセプト』を先頭に、両ブランドをより高みへと導くために必要なすべてのものを手に入れることができます」(ル・ヴォットCEO)
この提携に伴い、ダチアとラーダは18のボディスタイルを11に削減しながら、4つのプラットフォームを1つに統合。剛性とデザインを損なうことなく、製造と開発のコスト削減が可能になります。共有するプラットフォームは、2019年にルノー『クリオ』で初採用されたルノー・日産アライアンスの「CMF-Bモジュラープラットフォーム」です。
全長4.6mのビッグスター・コンセプトは、この新しいプラットフォームを採用し、競争の激しいCセグメントへの参入の足掛かりとしています。
「ダチアのビッグスター・コンセプトは、ブランドの進化を体現しています。アクセシブル(手が届きやすい製品)であることが、魅力的であることと対立するものではないことを証明しています。ダチアはそう信じており、このクルマがその証拠です」
ビッグスターをサイドから見ると、現行のダスターの拡大版のようにも見えます。リアエンドのピラーの形状が特徴的で、ウィンドウラインがリアにかけて大きく跳ね上がっています。どことなく三菱の『パジェロスポーツ』を彷彿とさせるスタイリングです(三菱はルノー・日産アライアンスの一員)。
クロームやアルミによる装飾は省かれ、未加工のリサイクルプラスチックから作られた保護パネル(ブラックの部分)が装着されています。
パワートレインには従来のハイブリッドシステムのほか、サンデロやダスターと同じバイフューエル(ガソリンとLPGを両方使える)技術が導入されると予想されています。完全EVとなる可能性もあります。
また、ダチアは今年後半に、欧州で最も手頃な価格のEV『スプリング』を発表する予定です。