ジープは、3列シートの新型SUV『グランドチェロキーL』を発表しました。全く新しいプラットフォームをベースに、先日発表された『グランドワゴニア』にも近いスタイリングを採用。フルサイズのフラッグシップSUVとしてふさわしい高級感を与えられています。
ボンネットとリアが長くなり、前方に向けて傾斜したグリルを装備。ルーフはリアにかけて低くなっています。7スロットグリルの両サイドにはスリムなLEDヘッドランプを配置。グリルが大きくなったことで、レーダーをはじめとするコンポーネントがデザインに溶け込むようになりました。リアにはワイドなLEDテールランプを備え、テールゲート上部にはバックカメラとウォッシャーを組み合わせたスポイラーを装備しています。
全モデルでトレッド幅を36mm広げ、肉厚な台形ホイールアーチを採用しています。21インチホイールも用意。グロスブラックルーフは「サミット」モデルに標準装備され、「オーバーランド」モデルにはオプション設定となっています。
新しいユニボディデザインに合わせて、独立式サスペンションを前後に装備。アクスルをエンジンに接続し、ボンネットとテールゲートにアルミを使用して軽量化を図っているほか、各コンポーネントには先進の高強度スチールを使用して強度を高めています。アクティブノイズキャンセラーと遮音ガラスの採用により、静粛性も確保。オプションのエアサスペンション「クアドラリフト」は、路面状況に合わせて調整できる電動制御のセミアクティブショックを採用しています。
米国ではまず、2種類のパワートレインが設定されます。「ラレード」、「リミテッド」、「オーバーランド」、「サミット」の各モデルには、8速ATと3.6L V6エンジンを標準装備。290馬力と348Nmのトルクを発揮し、約2,800kgの牽引能力を誇ります。オーバーランドとサミットでは、357馬力、530Nmを発揮する5.7L V8エンジンも選択可能です。
現時点では、『ラングラー4xe』のような電動モデルは設定されていません。ジープによると、グランドチェロキーの4xeは今年後半にデビューする予定だといいます。
4×4システムとして「クワドラ・トラックI」、「クワドラ・トラックII」、「クワドラ・ドライブII リアeLSD」の3種類を用意。クワドラ・トラックIは1速アクティブトランスファーケースを搭載し、路面状況に応じて前後のトルク配分を最大100%変化させることが可能。IIでは、ローレンジギアリダクション付きの2速アクティブトランスファーケースと、2.72:1のギア比を持つアクティブ4-Lowトルクコントロールを搭載しています。
クワドラ・ドライブII リアeLSDは、特定の車輪にトルクを分配することができ、サミットに標準装備されています。クアドラリフトを使用すれば、アプローチアングル30.1度、デパーチャーアングル23.6度、ブレークオーバーアングル22.6度を確保できます。
どの4×4システムにもセレクテレインを備えています。オート、スポーツ、ロック、スノー、マッド/サンドの5モードに加え、ヒルディセントコントロールを搭載。パワートレインの設定、4×4トルクスプリット、ブレーキとハンドリング、スロットルコントロール、トランスミッションシフト、トランスファーケースとトラクションコントロール、スタビリティコントロール、ABS、ステアリングフィールなど各システムを調整できます。
今回初めて6人乗りまたは7人乗りのオプションが用意されました。インテリアにはメタル、ウッド、レザーなどの新素材を採用。ダッシュボードには、8.4インチまたは10.1インチのUconnect 5用タッチスクリーン(Apple CarPlay/Android Auto付き)、ドライバー正面には10.25インチのデジタルメーターが備わっています。2台の携帯電話をBluetoothで同時に接続することができ、Alexa、地図、4G LTE WiFiホットスポットを利用可能。トランスミッションの操作は、触覚フィードバック付きのメタル製シフトノブで行われるようになりました。
前席には2台の携帯電話を収納できるスペースが追加され、ワイヤレス充電器もオプションで用意。サミットではマッサージ機能と16ウェイのパワーシートが標準装備されています。前席だけでなく2列目シートにベンチレーションを追加することも可能です。
2列目は約18cmの前後スライド可能なシートを備え、7人乗り仕様ではベンチシートとなります。3列目には、50/50分割の電動格納機能がオプションで用意されています。ラゲッジスペースは通常時487L、3列目を倒すと1,328L、2列目まで倒すと最大2,395Lまで拡大できます。2列目と3列目はフラットに折りたたむことができます。サミットには、2列目のキャプテンシートと新デザインのセンターコンソールが標準装備。ベースモデルを除く全車には電動テールゲートが装備されています。
全車にType-AとType-Cを合わせて12個のUSBポートとやマルチカラーLED照明のほか、上位モデルにはキルト加工のパレルモレザーなど豪華なインテリアが施されています。
安全装備としては、アダプティブクルーズコントロール、車線逸脱警報、車線維持支援、ブラインドスポットモニター、全車速衝突警報(歩行者・自転車検知機能付き)、緊急自動ブレーキ、リアクロスパス検知機能、タイヤ空気圧モニター、リアパーキングセンサーを装備。オプションとして、後列を監視する車内カメラも用意されています。
価格は現時点で明らかになっていませんが、2021年第2四半期に米国のディーラーに入荷する予定です。