トヨタ、新世代の水素燃料トラック公開 「ミライ」の技術採用

トヨタの北米部門は、新型の燃料電池大型商用トラックのプロトタイプを公開しました。水素で走るゼロ・エミッション車として、新型『ミライ』と同じ第2世代のFC(燃料電池)技術を採用。高いパフォーマンスと柔軟性を実現し、米国での量産化を目指しています。

トヨタの第2世代燃料電池トラック(プロトタイプ)

プロトタイプの荷重量は約36トン、航続距離は約480km。幅広い商用ニーズに対応する仕様となっています。

トヨタは2017年から、米ロサンゼルス港湾地域において燃料電池トラックの改良と実証を重ねてきました。2020年12月からは、第1世代のFC技術を搭載した大型トラック(ベースはケンワース『T680 』)の貨物運送会社への納車が始まりました。トヨタは、第2世代のFC技術を搭載した新型についても、量産化を目指して実証を進めるとしています。

すでに納車が始まっている第1世代の燃料電池トラック

燃料電池は水素と酸素を反応させ、電気と水を生成します。電気はモーターを駆動し、水は車外に排出されます。先日発売された新型ミライでは、出力と航続距離の向上を実現(水素タンクも大型化)したほか、生産性も大幅に向上しています。

FCスタックを構成するセルの生産時間は、従来の十数分(1セルあたり)から数秒に短縮。水素タンクの生産時間も3分の1に短縮するなど、パフォーマンス・生産能力ともに普及に向けて大きく進化しました。FC技術はトラック・バスなど輸送車両との相性がいいとも言われています。

ロサンゼルスにおける当プロジェクトのチーフエンジニアであるアンドリュー・ランド氏(トヨタ電動車・先進技術部門)は次のように語っています。

「FC大型商用トラックの大規模な実証は、貨物輸送の『ゼロ・エミッション化』に向けた重要なステップです。これまでの実証を通じて、FC技術が日常の貨物輸送に適していることを確信していますが、今後は新型プロトタイプを追加することで、量産化だけではなく、より長距離の輸送など幅広い用途での活用も視野に入れていきます」

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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