アウディはフォーミュラEから撤退し、2022年のダカールラリーに新型の電気自動車(EV)を投入することを明らかにしました。この決定により、アウディのフォーミュラEファクトリーチームは2021年シーズン終了後に閉鎖されることになります。カスタマーレースについては活動を継続するとのこと。
「新開発されたアウディのパワートレインは、来年以降もカスタマーチームが使用することが可能」とアウディは語りました。カスタマーレースは、同社のモータースポーツへの取り組みにとって重要な要素であるとされています。
しかし、焦点はすでに2022年に開催されるダカールラリーに当てられています。そこでは、電動ドライブトレインとガソリンエンジンを組み合わせた、ハイブリッドのプロトタイプの参戦が予定されています。アウディは参戦車両のコンセプトアートを公開しました。
ドライブトレインはまったく新しいレイアウトを採用。高電圧バッテリーと電気モーターで全輪を駆動し、必要に応じてTFSIエンジンを発電機として使用します。その結果、エネルギー効率を高め、パフォーマンスの向上と航続距離の延長が期待できるといいます。
「このプロセスで得られた経験は、将来の電動モデルの開発に反映されるはずです」と、アウディは述べています。
アウディのハイブリッドは、市販車では『Q5 PHEV』のように、ガソリンエンジンを機械的に車輪に接続し、バッテリーと電気モーターを組み合わせています。ダカールラリーでは、BMW『i3』のレンジエクステンダーのように、エンジンとアクスルを機械的に分離して発電源として利用するアプローチが考えられます。
ダカールでは、従来の内燃機関車に比べればまだ少数派ではありますが、EVの存在感も大きくなってきています。3年前にはEVがラリーに初参戦し、今年はルノーのハイブリッドトラックが登場しました。
アウディは、2025年までに売上の約40%をEVまたはPHEVにすることを目標としています。また、アウディスポーツのマネージング・ディレクターを務めるディーター・ガス氏は退任し、ユリウス・シーバッハ氏(現在はアウディスポーツGmbHのマネージング・ディレクター)が同職に就任します。