今年の初めに発表されたポールスター「プリセプト」は、ゼロエミッションの高級車が将来どのような姿になるのかを表す、抽象的なモデルでした。市販を検討しているかどうかについては言及されてこず、1つのコンセプトとして終わるものと捉えてきましたが、北京モーターショー2020にて市販化されることが明らかになりました。
プリセプトの発表以降、クロスオーバースタイルのポールスター「2」の発売や、2021年にデビュー予定のSUV「3」など市販モデルが注目を集めてきました。しかし、プリセプトのデザインや思想に魅力を感じ、市販化を望む声が多くあったようです。
9月26日から開催の北京モーターショー2020で、プリセプトの市販化が発表されました。CEOのトーマス・インゲンラート氏によると、「世間から『欲しい』と言われたので、作ることにしました」とのことです。
ファストバックスタイルのプリセプトは、ポルシェ「パナメーラ」とほぼ同じサイズを持ち、スタイルと持続可能性の両方を重視した電動グランドツアラーです。長いホイールベースにバッテリーを満載し、長時間のドライブが可能なのは明らかです。
また、コンセプトモデルの内装では、ペットボトルや漁網、コルクといった使用済みの素材を再生利用していました。亜麻をベースにした複合材は、プラスチックなど従来の素材よりも軽量かつ環境への影響もはるかに少なくなっています。
「これらの要素をデジタルアートと組み合わせることで、レザー、ウッド、クロームの慣習を超えた新しいプレミアムラグジュアリーを定義している」とポールスターは述べていました。
こうした要素は市販モデルにも取り入れられようとしています。
「消費者はこの業界の変化を求めています。私たちは、クルマとビジネスが環境に与える影響を減らすことに力を入れています。長期的な目標であることは認識していますが、目指すべきは気候の中立性でなければなりません」
製品開発はすでに進行中で、生産は中国の新工場設で行われる計画だといいmあす。
しかし、まだ決めるべきことはたくさん残っています。生産開始時期、価格、航続距離、どれくらいのパワーがあるのか、コンセプトにあるデザインや技術がどれくらい実現できるのか、など多くの点がまだ不明な状態です。
ただ、その展望に興奮しないわけにはいきません。電気自動車には、「クルマはこうあるべき」という古いビジョンは必要なく、有力な選択肢となるための魅力が必要とされています。その点、プリセプトには大きな期待ができるでしょう。日本導入の可能性も未知数ですが、2~3年後には街中で見かけるようになるかもしれません。