レクサス「ES」の2021年モデルが北米で発表されましたが、日本向けとは大きく異なる点が1つあります。AWDの採用です。これにより、ESはジェネシス「G80」やキャデラック「CT5」など、北米でライバルとなる高級モデル(いずれもAWDの設定あり)に追いつくことができます。
レクサスにおいては、「GS」が廃止されたのち、ミドルサイズ高級セダンの選択肢は前輪駆動のESのみとなっていました。今回、「ES250」と名付けられたAWDモデルの追加によって、顧客層の拡大が期待されます。なお「250」の名称は、1989年に登場した初代ESにも用いられています。
しかし、注意すべき点があります。現在、北米仕様のESには、2.5L ハイブリッドと3.5L V6の2種類のパワートレインが用意されています。AWDを選択した場合、このどちらにもパワーで劣るエンジン、203馬力の2.5L 4気筒で満足しなければならないのです。
通常走行時には、ダイナミックトルクコントロールAWDがリアアクスルを切り離し、前輪のみを駆動させて燃費を向上。EPA基準で11.9km/lを実現します。
パワフルな3.5L V6エンジンを搭載した前輪駆動の「ES350」は、最高出力302馬力/最大トルク362Nmを発揮するにもかかわらず、11km/l(EPA評価)の燃費を達成しています。ES250は、より燃費の良いモデルとなっていますが、18.7km/lのハイブリッド「ES300h」には届きません。
基本的には前輪駆動ですが、AWDシステムがスリップを検出すると、リアアクスルに最大50%のパワーを送ってトラクションを確保します。レクサスによれば、乗り心地や車内の静粛性、足元の広さ、トランクルームの大きさにAWDは影響を与えないとのこと。
ES250には、19インチホイールとスポーツチューニングされたサスペンションを備えるFスポーツも設定されました。また、このFスポーツをベースにした特別仕様車「ES350 ブラックライン・スペシャルエディション」を1,500台限定で販売します。
ブラックライン・スペシャルエディションでは、ミラーキャップ、ホイール、リップスポイラーにはブラックパーツを採用。3色のボディカラー(ウルトラホワイト、ウルトラソニックブルーマイカ2.0、オブシディアン)が用意され、グレーのステッチが施されたツートンカラーのインテリアが特徴です。
2021年モデルのレクサスES(ES250含む)は、今年の秋口にディーラーに入庫します。価格は、ES350とES250が約41,000ドル(433万円)から、ES300hは約43,000ドル(454万円)から、特別仕様車は47,600ドル(503万円)からとなっています。