待ちに待った新型フォード・ブロンコの登場です。25年ぶりに復活を遂げるブロンコは、かつてアメ車を代表するクロカンの1台でした。2ドアと4ドアのバージョンが用意され、デザイン、テクノロジー、カスタマイズの可能性など21世紀のSUVとして新時代を切り開こうとしています。
「ブロンコ」というブランド
新型フォード・ブロンコは、2ドア、4ドア、およびブロンコスポーツの3モデルで構成された全く新しいブランドとして位置づけられています。
フォードが言うところの「G.O.A.T. /Go Over Any Terrain」とは、「どんな地形にも対応できる」という意味で、オフロード性能の高さが新型ブロンコの特徴の1つといえます。
また、ブロンコのデビューに伴い、アメリカ各地でドライビングスクールが開催され、技術の指導やオフロードでの運転体験を提供。オーナー同士のオンラインコミュニティや、オリジナルグッズなども発売されるとのこと。
角のとれたモダンデザイン
丸みを帯びたスクエアなボディ、ショットオーバーハング、がっしりとしたワイドスタンス。オフローダーにふさわしいタフネスと、現代的なデザイン要素が上手く融合しています。
ボディの各パネルやドア、ウィンドウ、ルーフは簡単に取り外すことができます。4ドアにはソフトトップが標準装備。フレームレスドアとカウルマウントミラーを採用し、ドアを外した状態でも後方視界を確保しています。
インテリアは、初代ブロンコを彷彿とさせるシンプルなダッシュボードを採用。多機能カラー液晶インストゥルメントパネルや、オプションの12インチタッチスクリーンを搭載しています。オフロード走行に便利な360度カメラを追加することも可能。
ナビゲーションにはオンラインで使用できる地形トレイルマップを内蔵しています。オプションにはゴム張りのフロアや、水で洗えるマリン仕様のビニールシートトリムなどが用意されています。
シャシーは高強度スチール製。サスペンションはストローク量が多く、独立式フロントサスペンションと、5つのロケーティングリンクを使用したコイルスプリング付きのリアソリッドアクスルが組み合わされています。
各ホイールには、エンドストップコントロールバルブ付きのビルシュタイン製ダンパーが装備されています。全車に35インチのオフロードタイヤとデッドロック対応のホイールを装着することが可能です。
エンジンは、入門グレードで最高出力270馬力/最大トルク420Nmを発生する2.3L 4気筒エコブーストを搭載。トランスミッションは、レギュラーギアとクローラーギアを組み合わせた7速MTを装備しています。
上位オプションとして10速ATも用意されているほか、よりパワフルな2.7L V6エコブーストエンジンを設定。こちらは最高出力310馬力/最大トルク542Nmを発揮するとのことです。
北米市場で重視される牽引力は3,500ポンド(1,587kg)。最大積載量は2ドアモデルで530kg、4ドアモデルは620kgです。
見た目に負けないオフロード性能
モデルによって、最大7つの走行モード(ノーマル、エコ、スポーツ、スリッピー&サンド、バハ、マッド/ラッツ、ロッククロール)を搭載。オフロード走行時の低速クルーズコントロールであるトレイルコントロールはオプションです。
4×4は、全8モデルに標準装備されています。電気式シフトオンザフライシステムを備え、2Hと4Hを走行中に切り替えることが可能。また、フロントとリアのそれぞれに電子式デフロックを搭載しています。
トルクベクタリングを利用して狭いオフロードでのターンを可能にするトレインターンアシストも装備。加速とブレーキをアクセルペダルのみで操作するワンペダルドライブも可能となっています。
地上高は最大11.6インチ(約29cm)を確保し、20度のアプローチアングルと、37.2度のデパーチャーアングルを実現しています。最大85cmの水深に耐えられる点も特徴的です。
価格は邦貨300万円台前半から
フォードはすでに新型ブロンコの予約を受け付けていますが、ミシガン州ウェインの工場で生産が開始されるのは2021年初頭です。納車が始まるのは同年の春頃とされています。
2ドアモデルの価格は29,995ドル(321万円)から。4ドアモデルは34,695ドル(371万円)からとなっています。
シートヒーターやアンビエントライト、本革巻きステアリングなど快適・上質装備のほか、音声認識機能やリモートスタートといった最新システムも選択可能。オールテレインタイヤや、補助スイッチ付きのオーバーヘッドコンソール、ヘビーデューティーバンパーなどオフローダーにふさわしいオプションも充実しています。
ボディカラーは11色を用意。フォードは今後、多数のカスタマイズオプションやアクセサリーを用意する予定であり、さらにはチューニングメーカーなどもカスタムに乗り出すことでしょう。
昨今、かつて廃盤となったモデルを復刻する動きが目立ちます。その理由が何であるにせよ、こうした趣味性の高いクルマが増えるのは喜ばしい限りです。