日本でも販売された限定仕様車が北米へ
Maseratiが北米で、限定モデルのシリーズを発表しました。このシリーズは「Edizione Ribelle(エディツィオーネ・リベッレ)」と呼ばれ、生産台数はわずか225台。3車種の特別特別仕様車が用意されていますが、実は北米に先立って販売された国があります。日本です。
2019年11月、4ドアセダンの「Ghibli S」をベースにした「Ghibli Ribelle」を日本国内限定で発売しました。スポーティーな性能はそのまま、内外装を特別仕様に仕立て上げたもので、30台のみの限定生産でした。
同様の限定車が、車種を拡大して北米にも投入されます。ベースとなるのは以下の3車種。
- Ghibli S Q4 (100台)
- Levante S (100台)
- Quattroporte S Q4 (25台)
「Levante」はSUV、「Quattroporte」は4ドアセダンでMaseratiの旗艦モデルです。各モデルでもっともスポーティーな「S」グレードをベースにしており、走りにも妥協がないことが伺えます。
Maseratiの「反逆的精神」を秘め、漆黒をまとう
各モデルには特別に「Ribelle」の名が与えられており、これはイタリア語で「反逆」を意味します。Maseratiによると、「群衆と同じ海に溶け込むのではなく、目立ちたい消費者のための選択肢として、Maseratiの反逆的精神に敬意を表したモデル」とのこと。スタイリングもそのコンセプトにふさわしく、”ちょい悪”仕様となっています。
イタリア語で「黒」を意味するネリッシモ・パッケージが施され、内外装ともにダークカラーが強調されています。
ブランドのロゴである「トライデント」をはじめ、フロント周りやサイドシル、CピラーとリアのMaseratiバッジがブラック・クロームで統一され、ドアハンドル、マフラー、ウィンドウフレームも黒で仕上げられています 。日本仕様の30台ではホイールがシルバーでしたが、北米仕様ではこちらも黒に変更されているのが特徴です。黒い20インチのホイールの奥に、ブレーキキャリパーの赤が際立っています。各パーツの形状はそのまま、カラーリングだけで印象をガラリと変えてしまうのはMaseratiの上手いところかもしれません。
内装にも過激さが加わり、Maseratiの言う「反抗心」が伺えます。高級レザーのスポーツシートは黒と赤の2トーンになっており、 ヘッドレストにはトライデントのロゴが刺繍されています 。ヘッドライニング(天井)にはアルカンタラを用いて高級感を演出するだけでなく、パネル類にはカーボンを多用しており、スポーティーな印象を強めています。ステアリングヒーターやシートヒーター(前後に装備)といった快適装備も充実。オーディオにはHarman Kardonの音響システムが用意されています。
腕時計や高級バッグと同様に、高級車のユーザーは希少性の高いモデルを求めます。その期待に応えて、225台すべてのセンターコンソールには限定生産であることを示すプレートが装着されています。こうしたモデルは投資対象としても価値があるのでしょう。日本の国内メーカーも、このような付加価値の高いモデルをもっと積極的に販売してほしいものです。