フォルクスワーゲンは、初の完全EVハッチバック「ID.3」の生産に邁進しています。同社によると、待望の ID.3の欧州での納車開始は9月初旬になる見込みだといいます。ソフトウェアの問題や長引くCOVID-19のパンデミックによる生産の遅れにもかかわらず、再び軌道に戻りつつあるようです。
フォルクスワーゲンの最高執行責任者であるラルフ・ブランドシュテッター氏は、次のように述べています。「フォルクスワーゲンブランドの大規模な攻勢は、文字通りID.3により前進しています。このクルマは、日常使いに適し、すべての人に手頃な価格のローカル・エミッション・フリー・モビリティを提供するという私たちの使命を強調しています」
ちなみに、VWは7月17日から3万台の限定車ID.3 1stモデルの予約受付を開始します。早期購入者や予約者には2つの選択肢が用意されています。まず、9月上旬までにID.3を手に入れた人には、VWの「ID.3 1st Mover Club」の無料会員権が与えられます。この特典では、最初の3ヶ月間(リースの場合)のリース料が無料になったり、カスタマーサポートが直接受けられたりするほか、来年の初めに展開予定の無料ソフトウェアアップデートなどを受けることができます。
同社の販売部門を率いるユルゲン・スタックマン氏は、「ブランドを愛してくださることへの感謝と、注文開始までの長い待ち時間を我慢してくれたことへの感謝の気持ちを込めて、9月までにID.3 1stを予約したすべての方にID.3 1st Mover Clubのメンバーシップを提供します」
しかし、注意すべき点もあります。初期のID.3には、スマートフォンアプリとの接続機能やヘッドアップディスプレイに表示される距離機能は含まれていません。
選択肢の2つ目は、2020年の第4四半期まで納車を待つ代わりに、すべての機能を搭載したクルマを手に入れるということです。
ID.3 1st editionは4万ユーロ(約484万円)以下で販売され、58kWhのバッテリーと、最高出力201馬力/最大トルク405Nmを発生するリアマウントの電気モーターを搭載しています。停止状態から時速97km/hまで3.4秒で駆け上がることができます。1年間の無料充電サービスが付属するのも嬉しいポイント。そのほか、デュアルゾーンのエアコン、ナビゲーション、18インチアルミホイール、シートヒーター、ステアリングヒーター、100kWの急速充電などを標準装備しています。
一方、ID.3 1st Plusモデルは46,000ユーロ(約556万円)以下で購入でき、キーレスロック/アンロック、バックカメラ、19インチホイール、追加のUSB-C充電ポート、ティンテッド(着色)ガラスなどが装備されています。さらに上位グレードのID.3 1st MAXは、20インチホイール、パノラミックサンルーフ、AR対応ヘッドアップディスプレイなどが搭載され、5万ユーロ(約605万円)以下で販売されます。
新型ID.3を筆頭に、フォルクスワーゲンはEVのラインナップ拡充を行い、将来の市場における競争力を身につけようとしています。