自力で運転できない人が安全に移動できるよう、世界中の研究者が自動運転車の研究に励んでいます。ロシアのインターネット企業最大手の「ヤンデックス(Yandex)」は、韓国のヒュンダイグループと共同開発した第4世代の自動運転車を発表しました。2社の提携は昨年明らかになったことですが、ヤンデックスは以前から自動運転分野において秘かに注目を集めてきたダークホース的な企業です。
ヤンデックスは現在、モスクワの路上で自動運転機能を搭載したヒュンダイ・ソナタの運用を始めています。同社によると、年内にはさらに100台のソナタを追加する予定とのこと。この100台は、ロシアのイノポリスで稼働しているロボタクシープログラムと、米ミシガン州の車両群に追加する意向を示しました。
ヤンデックスとヒュンダイ傘下の自動車部品メーカー「ヒュンダイ・モービス(Hyundai Mobis)」のエンジニアが協力し、同プロジェクトにそれぞれの専門知識を提供。モービスのチームは、ヤンデックスのドライバーレス制御技術とのインターフェースをより効率的にするために、車両の電気制御ユニットを改良。ヤンデックスのエンジニアは、第3世代の自動運転車のセンサー類を改良しました。
複数の焦点距離を持つ3つのカメラユニットを追加し、車両に搭載されるカメラの総数を9台に増加。レーダーシステムをバンパー内部からルーフ上に移動し、システム強化を図っています。さらに、フロントフェンダーのライダーシステムの位置も調整し、より広い視野を得ることに成功しました。
これにより、視界が限られた状況下でも歩行者や車両を「見る」ことができるようになりました。ヤンデックスは、ヒュンダイ・モービスとのパートナーシップにより、これまでで最も先進的な自動運転車の開発が可能になったと謳っています。また、両チームは今後さらに技術を進化させていきたいとしています。