“無敵”のGクラス「インビクト」はブラバスが生んだ防弾仕様車だ!

ドイツのチューニングメーカーであるブラバスは、メルセデス・ベンツ「Gクラス」のドレスアップに大忙し。チューニングといってもただのパワーアップではありません。今回ブラバスが発表した「インビクト(Invicto)」は、防弾装甲規格で10段階のうち6段階目にあたるVR6基準を満たしているとのこと。小火器の攻撃や爆風にも耐えうる装甲をまとった防弾仕様車です。

これは政治家や外交官、富裕層のVIPにとって朗報です。ブラバス・インビクトは、小火器による攻撃から乗員を保護するのに十分な性能を備えています。AK-47(自動小銃)の持続的な射撃や、33ポンド(15kg)もの強力なTNT爆弾の爆風にも耐えることができます。

そのタフさの秘密は、ブラバスが開発した「シェルターセル」技術にあります。市販SUVに装甲を施す改造方法としては、ボディパネルに鋼板を溶接して追加するのが一般的です。しかし、今回ブラバスがGクラスに施したのは、ゼロジョイント設計の自己完結・自立するボルト式構造セルでした。

ブラバスによると、「シェルターセル」は熱間圧延された鋼鉄製のアーマープレートで構成されており、各セルが隙間なくボディに挿入されています。ドアパネルとガラスフレームは、重ね合わされた金属セラミック複合材により保護。隙間をなくすことで銃弾や爆発物から優れた防御力を発揮します。窓ガラスも、今日入手可能なガラスの中で最も厚いものが採用されています。

当然のことながら、既存のメルセデス・ベンツ「G500」やAMG「G63」に装甲を追加するということは、重量級のSUVにさらなる重量を加えることになります。ブラバスは増加した車重への対策として、ブレーキとサスペンションを強化。また、専用ホイールとランフラットタイヤを装着しており、パンクしても約50kmの走行が可能です。

インビクトには「ラグジュアリー」「ピュア」「ミッション」の3モデルが設定されています。ラグジュアリーでは、防弾仕様でありながら高級感あふれるインテリアを採用。ピュアは、ホイールが異なる以外では通常のGクラスとほぼ同じ外観です。一方、ミッションでは軍用レベルのナビゲーションシステム、強力なLEDライトバー付きルーフラック、そして脱出ハッチを備えています。“実戦”において最も頼りになるのはミッションモデルといえるでしょう。

内装では、5点式ハーネスを備えたカスタムシートを採用。シートは防弾チョッキを着用しても十分な広さを確保しています。また、トランクには酸素供給装置も装備されています。車名のインビクトはスペイン語で「無敵」「無敗」を意味する言葉からきていますが、まさに無敵の名にふさわしいSUVです。

もし、お手持ちのG500またはAMG G63を装甲車にすることに興味があれば、約367,200ドル(3,938万円)を用意しましょう。ベース車両が何台も買える価格ですが、これほど本格的な防弾仕様車を必要とする人にとっては、決して高い金額ではないかもしれませんね。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です