皆さま、こんにちは。
今日は、NotebookLMを使った「文体抽出」という、ちょっと変わった活用事例をご紹介します。
「文体」とは、言い換えるとあなたの「キャラクター性」ということです。
生成AIが出てから、AIに文章を書かせるという行為は一般的となりました。
ただ、そこで出てくる悩みが「なんか自分っぽくない」ではないでしょうか?
もしくは、「どこにでもある一般的な文章で面白くない」などもあると思います。
これらはなぜできないのか?それは生成AIがあなたのキャラクター性を理解していないからです。
今回は、NotebookLMであなたのキャラクター性を抽出するというお話をしていきたいと思います。
キャラクター性を抽出するためのプロンプトも用意しているので、よかったら最後までご覧ください。
では、さっそく始めていきましょう。
まず知っておきたい大事なこと
記事を読み進める前に、重要なポイントを押さえておきましょう。
📌 まず知っておきたい大事なこと
・NotebookLMは「文体抽出」専用として使い、実際の記事生成は他のAI(ChatGPTなど)で行う
・文体抽出には3〜10本程度の「自分らしい記事」を用意する必要がある(多すぎても分析がぼやける)
・生成された文体定義プロンプトは、そのまま使わず「自分で編集・調整」することで精度が上がる
💡 初心者向けのコツ
・最初は「デフォルト設定」でNotebookLMに分析させる。細かいカスタマイズは後からでOK
・「完璧」を目指さない。70点のプロンプトができれば十分という感覚で
・文体定義プロンプトには「ターゲット読者・目的・スタイル」の3つを入れるだけで精度が止まる
なぜAIライティングで「文体・キャラクター性」が消えるのか
まず、問題の整理です。
皆さん、ChatGPTやClaudeで記事を書かせると、こんな経験ありませんか?
- 情報としては正しいけれど、「自分のブログっぽくない」
- どれも似たような「テンプレ文体」になってしまう
- クライアント向けの「トーン&マナー」が薄まってしまう
これって、実はAI側の性能の問題ではなく、こちら側が「キャラクター定義」を渡していないことが原因なんですね。
生成AIは、基本的に「汎用的で誰にでも通じる文体」をデフォルトとして学習しています。
ですから、何も指示しなければ、当然のように「無難で平均的な文章」を返してくるわけです。
では、どうすればいいか?
答えはシンプルです。
自分の過去記事から「文体・キャラクター性」を抽出し、それをプロンプトとしてAIに渡すこと。
ここで役立つのが、NotebookLMです。
NotebookLMを使った「文体抽出」の基本フロー
さて、ここからが本題です。
NotebookLMを使って「自分の文体」を抽出する流れは、大きく分けて2ステップです。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. 過去記事の読み込み | 代表的な記事3〜10本をNotebookLMにアップロード |
| 2. 文体定義プロンプトの生成 | 専用プロンプトを使ってNotebookLMに「文体定義プロンプト」を作らせる |
それでは、順番に見ていきましょう。
ステップ1:過去記事を読み込ませる
※ NotebookLM自体がわからない方は、こちらの記事をご参照ください→ NotebookLM初心者向け解説
まず、「自分らしさがよく出ている記事」を選びます。
ポイントは以下の通りです。
- 自分で「これはうまく書けた」と思える記事
- 読者からの反応(PV、コメント、シェア)が良かった記事
- できれば3〜10本程度に絞る
あまり大量に入れすぎると、NotebookLM側の「要約」がぼやけてしまいます。
まずは少数精鋭の記事から始めるのがおすすめです。
記事のフォーマットは、PDFでもGoogleドキュメントでも、テキストファイルでも構いません。
NotebookLMは複数形式に対応しています[2]。

ステップ2:文体定義プロンプトを生成させる
記事を読み込ませたら、次は「文体分析用プロンプト」を使います。
「あなた(NotebookLM)から見て、私の文体はどう見える?」と自己分析させるイメージですね。
そのための専用プロンプトを用意しました。
NotebookLMで文体を抽出するためのプロンプト
このプロンプトを、過去記事を読み込ませたNotebookLMに投げてください。
すると、NotebookLMがあなたの文体を分析し、「文体定義プロンプト」を自動生成してくれます。
NotebookLMで文体を抽出するためのプロンプト
# 文体分析&文体定義プロンプト作成依頼
あなたは、文章のスタイル(文体)を分析し、それを再現可能なルールセットに変換する専門家です。
以下のプロセスに従って、提供されたソーステキストの文体上の癖を抽出し、そのスタイルで新規文章を執筆するための「文体定義プロンプト」を生成してください。
---
## 【ステップ1】文体の要素分析
まず、ソーステキストの文体を構成する以下の要素を分析してください。
* **語り口(トーン):** 筆者の声が聞こえてくるような語り口の特徴(例:親しみやすい、専門的で厳格、皮肉、熱血的など)
* **視点と立場:** 誰の視点から語っているか(例:一人称「私」、二人称「あなた」への語りかけ、客観的な第三者など)
* **文の構造:** 文の長さやリズムの特徴(例:短文を多用する、長文で論理的に展開する、倒置法をよく使うなど)
* **語彙の選択:** どのような種類の言葉を好んで使うか(例:専門用語、カタカナ語、若者言葉、感情的な言葉、漢語など)
* **修辞技法:** 比喩、擬人法、反語、問いかけなどの表現技法をどの程度使うか。
* **記号と装飾:** 「」や()、□、絵文字、改行、太字などをどのように使っているか。
## 【ステップ2】「文体定義プロンプト」の生成
上記の分析結果を基に、AIがその文体を完璧に模倣するためのルールセットとして、以下のフォーマットで「文体定義プロンプト」を生成してください。
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### 【出力形式】
# Step 1.5: 文体定義プロンプト
あなたは、以下の文体定義に基づき、完璧に筆者を模倣して文章を執筆するゴーストライターです。
## 1. ペルソナ(語り手の人物像)
* (ソースから推測される筆者の性格、立場、読者に対する姿勢を簡潔に記述)
## 2. 基本ルール
* **視点:** (一人称「私」、二人称「あなた」など)
* **丁寧さ:** (です・ます調、である・だ調、タメ口など)
* **トーン:** (親しみやすい、専門的で厳格、皮肉など)
## 3. 表現の特徴
* **語彙:** (専門用語、カタカナ語、若者言葉など、特徴的な単語の傾向)
* **文の長さ・リズム:** (短文を多用する、長文で論理的に展開するなど)
* **修辞技法:** (比喩、擬人法、反語などを積極的に使うか、使わないか)
## 4. 記号・装飾のルール
* (「」や()、□、絵文字、改行の使い方など、フォーマット上の癖)
このプロンプトをNotebookLMに投げると、あなたの過去記事から「文体定義プロンプト」を生成してくれます。
生成された文体定義プロンプトを、普段使っているChatGPTやClaude、Geminiなどの生成AIに投げてください。
プロンプトの最初に貼り付けてから「〜について記事を書いてください」と指示すると、「あなたっぽい文体」で記事を書いてくれるようになります。
文体抽出をしておくメリットとは?
ここで、少し視点を変えてみましょう。
なぜわざわざ「文体抽出」をしておく必要があるのか?
理由は大きく分けて2つあります。
1. 自分のブランドを守れる
個人でブログやSNSを発信している方にとって、「自分らしい文体」はブランドそのものです。
AIに記事を書かせたことで、「なんか最近、〇〇さんの記事、雰囲気変わったよね…」と言われてしまったら、宝の持ち腐れですよね。
文体定義プロンプトを使えば、AIに任せても「らしさ」を保ったまま記事を量産できます。
2. AIの「分業」が明確になる
NotebookLMで文体抽出をして、その結果をChatGPTで記事生成に使う。
このワークフローを確立しておくと、「どのツールで何をやるか」という分業が明確になるんですね。
- NotebookLM → 文体抽出に使う
- ChatGPT → 記事生成に使う
- 人間 → 記事のテーマアップやブラッシュアップをする
こうすると、「NotebookLMで全部やらなきゃ」と思わなくて済みます。
それぞれのAIの得意分野を活かして、効率的に作業できるわけです。
よくある質問(FAQ)
ここまで読んでくださった皆さまから、よくいただく質問に答えておきますね。
Q1. 抽出した文体は、ChatGPTや他のAIでも使えますか?
A. はい、使えます。
文体定義プロンプトは、NotebookLM専用ではなく、ChatGPT、Claude、Geminiなど、どの生成AIにも使えます。
むしろ、NotebookLMで「文体抽出」だけして、実際の記事生成は他のAIでやる、という使い分けがおすすめです。
Q2. 文体定義プロンプトには、最低限どんな項目を入れるべきですか?
A. 最低限、以下の4項目を入れましょう。
- ペルソナ(語り手の人物像)
- 基本ルール(視点・丁寧さ・トーン)
- 表現の特徴(語彙・文の長さ・修辞)
- 記号・装飾(鉤括弧、箇条書き、太字など)
この4つがあれば、AIはかなり「あなたらしい」文章を書いてくれるようになります。
Q3. NotebookLMを使わずに文体を分析する方法との違いは?
A. NotebookLMは「複数記事を横断して共通点を見つける」のが得意です。
ChatGPTなどでも同様のことはできますが、複数のソースから共通項を探させるのであれば、NotebookLMは高い性能を発揮してくれます。
私自身、様々な生成AIで似たようなことは試してきましたが「複数のソースからキャラクター性を抽出する」点に関しては、NotebookLMは非常に優れていると思います。
まとめ
NotebookLMや生成AIは、それ単体では「汎用的な文章生成エンジン」に過ぎません。
そこに、皆さんご自身の「キャラクター」「価値観」「語り口」というエッセンスをきちんと乗せてあげることで、初めてキャラクター性をもった文章が実現するわけです。
ぜひ、まずはご自身の過去記事や文章をNotebookLMに読み込ませて、「私の文体って、あなたから見るとどう見える?」と問いかけてみてください。
最終更新日:2025年12月14日
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Citations:
