Volkswagen(以下、VW)は、2月6日に開催されたシカゴ・モーターショーで2021年モデルのAtrasをお披露目しました。Atrasは日本未発売の7人乗りSUVで、大胆なデザインと最新技術を搭載しています。VWは今回、車内のスペースを維持しながら、新しい運転支援機能に対応。その中身とは、いったいどのようなものでしょうか?
フレッシュなデザインに一新
VWによると、Atlasは「偉大なサクセスストーリー」であり、新モデルはこれまでの高い機能性を守りつつ、新しい技術とデザインを取り入れているとのこと。新しいAtlasは、フロントとリアのバンパーデザインが一新されているため、既存モデルと同じプラットフォームを使用しながら、全長が約7cm伸びています。
バンパーデザインの主な変更点としては、まずヘッドランプが多角形のキリっとした形状になり、それにあわせてグリルのバーも1本増えて3本に。バンパー下部も加飾され、前モデルと比べて若々しい顔つきになりました。これまでのデザインは、重厚感のある落ち着いたスタイルだったのですが、ユーザーの評判が芳しくなかったということでしょうか。
おそらく、Atrasのクーペスタイルである「Atras Cross Sport」の発売にあわせたデザイン変更と思われます。Cross Sportは全長を切り詰めた端正なボディで、走りへの情熱が感じられるデザインが印象的な5人乗りSUVです。
そのほか、2021年モデルのAtrasには、以前のモデルからのアップグレードとして、新しいステアリングホイール、レザーシートのコントラストステッチ、新形状のドアトリムが採用されています。インフォテインメントシステムには、8インチのディスプレイを搭載しています。
豊富なオプション設定 充実した安全装備
VWはまた、AtrasのスポーティルックなグレードとしてR-lineを用意しています。独自デザインのバンパーやサイドスカートといったエアロパーツを備え、20インチまたは21インチのアルミホイールを装着しています。
購入時にはオプションとして、VWデジタルコックピット、Fender製プレミアムオーディオシステム、アンビエントランプ、3ゾーンのエアコン、ヒーターとクーラーを備えたシート(後部はヒーターのみ)、ワイヤレス充電器、およびリモート・スタートを選択できます。また、VWのコネクティング機能であるモバイルオンラインサービス、Volkswagen Car-Netに対応(5年間無料)。天気情報や駐車場、交通情報などを音声で検索できます。そのほか、車内でWi-Fiが使えるようになる定額制オプションもあります。
新しいAtlasで利用可能な運転支援技術としては、先行車両との距離や歩行者を検知するレーダーによる自動緊急ブレーキ、後方死角検知機能、および後退時衝突警報がすべてのモデルで標準装備されています。アイドリングストップ、Lane Keeping System(車線維持支援)、Park Distance Control(PDC/駐車時の障害物検知)、Park Steering Assistant(駐車支援)、Area View(アラウンドビューモニター)、先行車との距離を保つAdaptive Cruise Controlなど、事故から身を守るための安全装備が充実しています。
パワートレーンには276馬力のV6エンジンと、235馬力の直列4気筒ターボエンジンが用意されています。両エンジンとも全輪駆動に対応し、走破性も十分。価格は今春の販売に向けて、近いうちに発表されるでしょう。
最近では新モデルが登場するたびに、最先端の運転支援系システムが標準装備されるようになりました。その分価格にも影響しますが、安全のためなら絶対に必要なコストです。かつて、安全性という概念では、車のボディ強度やエアバックなどを充実させ、「事故を起こしても被害を抑える」という点に主眼が置かれていました。現在では「事故そのものを減らす・緩和する」ことが当たり前になっており、車選びにおいても欠かせないポイントです。日進月歩のライバルに後れを取らないよう、VWの必死さが垣間見えるモデルチェンジでした。
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