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Cloudflareまた落ちた!わずか2週間半で2度目、世界中で混乱拡大

2025年12月5日

📖 この記事で分かること
・Cloudflare(クラウドフレア)で再び大規模な障害が発生
・X(旧Twitter)、Canva、Shopifyなど多数のサービスが影響を受けた
・わずか2週間半で2度目の障害で、インターネットの信頼性に懸念
・予定されていたメンテナンス作業中にトラブルが発生した可能性

💡 知っておきたい用語
500エラー:ウェブサイトのサーバー(コンピューター)側で問題が起きた時に表示されるエラー画面。あなたのパソコンやスマホは悪くなく、サイト側に原因があることを示しています。


最終更新日: 2025年12月5日

※ 2025年12月5日 18:30 徐々に復旧しているようです。(落ちていたサイトを筆者確認済み)

2025年12月5日午後、Cloudflare(クラウドフレア)で大規模な障害が発生し、世界中の多数のウェブサイトやサービスがアクセス不能になりました。実に興味深いのは、これがわずか2週間半で2度目の大規模障害という点です。

またCloudflareが落ちた

本日午後、多くのユーザーが「500 Internal Server Error(内部サーバーエラー)」という見慣れたエラー画面に直面しました。The Economic TimesやBleepingComputerなど複数のメディアが速報で伝えています。

Cloudflareの公式ステータスページによると、複数のデータセンターで予定されていたメンテナンス作業が進行中でしたが、何らかのトラブルが発生した模様です。ただ、正確な原因はまだ調査中とのことです。

あなたが使うサービスも停止中

影響を受けたサービスは多岐にわたります(各メディアの報道による):

ビジネス・生産性ツール

  • Canva(デザインツール)
  • Notion(メモアプリ)
  • LinkedIn(ビジネスSNS)
  • Zoom(ビデオ会議)

Eコマース・ショッピング

  • Shopify(オンラインストア基盤)
  • Etsy(ハンドメイド通販)
  • Wayfair、H&M(大手通販サイト)

その他のサービス

  • X(旧Twitter)
  • BookMyShow(チケット予約)
  • Coinbase(仮想通貨取引所)
  • Down Detector(障害追跡サイト自体も停止)

注目すべき点は、前回11月の障害で影響を受けたChatGPTなど一部のサービスは、今回は無事だったことです。おそらくCloudflareへの依存度を下げる対策を取ったのでしょう。

なぜこんなに影響が大きいのか

Cloudflareは、ウェブサイトを速く・安全に表示するための「インフラサービス」を提供する世界最大級の企業です。

技術的には、CDN(Content Delivery Network:コンテンツ配信ネットワーク)と呼ばれる仕組みで、世界中のサーバーにウェブサイトのコピーを配置し、ユーザーに最も近い場所から高速配信します。また、DDoS攻撃【ディードスこうげき】(サイバー攻撃の一種で、大量のアクセスでサイトを機能停止させる手法)からウェブサイトを守る防御機能も提供しています。

実は、インターネット全体のトラフィックの約20%がCloudflareを経由していると言われています。これは、Cloudflareが止まると、それだけ多くのサイトが影響を受けることを意味します。

正直なところ、これは「単一障害点(SPOF: Single Point of Failure)」と呼ばれる問題です。一つのサービスに多くの企業が依存すると、そこで問題が起きた時の影響が計り知れなくなります。

わずか17日前にも同じことが

前回の大規模障害は11月18日、つまりわずか17日前のことでした。その時、CloudflareのCEOであるMatthew Prince氏は「2019年以来最悪の障害」と謝罪し、原因はBot Management system(ボット管理システム)のエラーだったと説明しました。

でも、その後すぐにまた大規模障害が発生したわけです。これって、かなり深刻な状況ですよね。

Hacker Newsなどの開発者コミュニティでは、「予定メンテナンス中に何か致命的なミスがあったのでは」という推測が飛び交っています。実際、予定された作業でも予期せぬ問題が発生することはありますが、世界規模の影響を考えると、もっと慎重な手順が必要だったかもしれません。

企業が考えるべきこと

今回の障害は、企業にとって重要な教訓を残しています:

  1. Cloudflare依存度の見直し: 一つのサービスに過度に依存するリスク
  2. 冗長化戦略: 障害時のバックアップ体制の構築
  3. ビジネス継続計画: 主要インフラが停止した場合の対応手順

特にEコマースサイトを運営する企業にとって、数時間の停止は直接的な売上損失につながります。インドのトレーディングプラットフォーム(Zerodha、Groww、Angel One等)も影響を受け、投資家が取引できない状態が続きました。

今後の展望と注意点

本記事執筆時点(2025年12月5日18時15分JST時点)では、Cloudflareは「Cloudflare Dashboard and Cloudflare API service issues(ダッシュボードとAPIサービスの問題)」を調査中としており、完全な復旧には至っていません。

注目すべきは、これがインターネットインフラ全体の脆弱性を浮き彫りにしたことです。クラウドサービスの集中化は効率的ですが、同時に大きなリスクも抱えています。

2025年は、GoogleやAWSでも大規模障害が発生しており、「なぜインターネットはこんなに頻繁に落ちるのか」という疑問が広がっています。

これは単なる技術的な問題ではなく、現代社会がいかにデジタルインフラに依存しているか、そしてその脆弱性にどう対処すべきかという、より大きな課題を突きつけているのかもしれません。

よくある質問

Q: 自分が使っているサービスが影響を受けているか確認する方法は?
A: 公式のステータスページやSNS(Xなど)で、そのサービスが障害情報を発信していないか確認してください。Down Detectorも復旧すれば障害状況を確認できますが、今回はDown Detector自体も停止しました。

Q: ユーザー側でできる対策はありますか?
A: 残念ながら、Cloudflareのような大規模インフラの障害に対してユーザーができることは限られています。重要な作業がある場合は、複数のサービスやツールを使い分けることでリスク分散できます。

Q: なぜ予定メンテナンスで障害が起きるの?
A: システムの変更や更新作業中には、想定外の問題が発生する可能性があります。Cloudflareのような複雑なシステムでは、一つの変更が予期せぬ連鎖反応を引き起こすことがあります。それでも、予定メンテナンスは通常、問題を未然に防ぐために実施されるものですが、今回は逆の結果となってしまいました。

まとめ

Cloudflareの大規模障害は、現代のインターネットがいかに特定のインフラに依存しているかを改めて示しました。わずか2週間半で2度目という異常事態は、単なる偶然ではなく、システムの複雑さや運用の難しさを物語っています。

企業はCloudflareへの依存度を見直し、冗長化戦略を検討する必要があるでしょう。私たち個人ユーザーも、インターネットが「いつでも当たり前に使える」ものではないという認識を持つことが大切です。

Cloudflareの完全復旧と、今後の再発防止策に注目していきたいと思います。

【用語解説】

  • Cloudflare【クラウドフレア】: ウェブサイトを高速化し、サイバー攻撃から守るサービスを提供する世界最大級の企業。インターネット全体のトラフィックの約20%を処理している。
  • CDN(コンテンツ配信ネットワーク): 世界中にサーバーを配置し、ユーザーに最も近い場所からウェブサイトのデータを高速配信する仕組み。
  • DDoS攻撃【ディードスこうげき】: 大量のアクセスを一度に送り込み、ウェブサイトやサービスを機能停止させるサイバー攻撃の一種。
  • 単一障害点(SPOF): Single Point of Failureの略。一つの部品やサービスが故障すると、システム全体が停止してしまうリスクのある箇所。
  • 500 Internal Server Error: ウェブサイトのサーバー側で問題が発生した際に表示されるエラー。ユーザー側ではなく、サイト運営側に原因がある。

免責事項: 本記事の情報は執筆時点(2025年12月5日18時15分JST)のものです。障害状況や復旧情報は刻々と変化しますので、最新情報はCloudflare公式ステータスページや各サービスの公式発表をご確認ください。

Citations:
[1] The Economic Times – “Cloudflare down again? Netizens flood X with complaints”
[2] BleepingComputer – “Cloudflare down, websites offline with 500 Internal Server Error”
[3] The Independent – “Internet stops working properly amid major outage”
[4] Cloudflare Status – 公式ステータスページ
[5] Hacker News – “Cloudflare is down” ディスカッション
[6] Money Control – “Cloudflare down: Outage hits trading platforms”
[7] Gadgets 360 – “Cloudflare Outage Blocks Access to Several Websites”
[8] Mashable – “Cloudflare CEO explains exactly what caused global outage”(前回障害の背景情報)

KOJI TANEMURA

15年以上の開発経験を持つソフトウェアエンジニア。クラウドやWeb技術に精通し、業務システムからスタートアップ支援まで幅広く手掛ける。近年は、SaaSや業務システム間の統合・連携開発を中心に、企業のDX推進とAI活用を支援。

技術だけでなく、経営者やビジネスパーソンに向けた講演・執筆を通じて、生成AIの最新トレンドと実務への落とし込みをわかりやすく伝えている。

また、音楽生成AIのみで構成したDJパフォーマンスを企業イベントで展開するなど、テクノロジーと表現の融合をライフワークとして探求している。

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